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入退去が続く部屋

今回は、入居者の声がいかにオーナー様に届きにくいか、
なぜ、貸主と借主の間に管理会社(第三者)が入ることが重要なのかについてお話しします。

目次

特定の部屋だけ、入退去が頻繁

実際にあった事例です。

【物件情報】
・豊島区・築20年・鉄骨造・6階建て・総戸数12戸

こちらのオーナー様はこの建物の1階で商売を営まれており、自主管理をされていました。
オーナー様はこのビルの建築時から建物を非常に大切にされており、共用部分の清掃も行き届いていました。
入居者の質も高く、共用部分には入居者の傘どころか、塵ひとつ落ちていないピカピカのビルです。

ある会合で、このオーナー様とお会いしたときに、ぼやいておられました。

「うちのビルは、ほぼいつも満室なんだけれど、不思議なことに302号室だけ入居者の入れ替わりが頻繁なんだ。不思議だ」

「半年とか1年で退去していってします。そんなに短期間で退去されると原状回復費用がかさんで大変なんだよ」

おっしゃることはごもっともです。
オーナー様にとっては、短期間で退去されるのが一番の損失です。
原状回復するために、壁紙を貼り替え、クリーニング業者を入れて、と費用がかかります。
その費用、1回につき20〜30万円です。

特別なことには理由がある

それから数年が経ち、オーナー様が弊社へ来店されました。
「ずっと自分で入居者とのやりとりをしてきたけれど、最近のクレームに対応するのは本当に骨が折れる」

「昔だったら、言ってもこなかったような内容のクレームを言ってくるし、そんな内容で文句言うんじゃない!と私が言えば言ったで問題になる世の中でしょ。疲れるよ」

とにかく、自主管理はもうできないので、美都で管理してもらえないかということでした。
それはもう喜んで!と、弊社で管理をすることになりました。

管理を引き受けたときに例の302号室が空き部屋で、まず、その募集を行いました。
人気ビルですから、反響(問い合わせ)はすぐにあり、23才の社会人1年目の女性(Aさん)が入居されました。
入居して4カ月が経つ頃、Aさんが弊社に立ち寄られました。
案内も弊社の営業が行いましたので、ご契約までのやりとり、ご契約、鍵の引き渡しまでの間に人間関係が構築されている場合が多いです。
ご契約後もそうやって店舗に顔を出してくださるのは、弊社としてもうれしいことです。

閉店時間も近かったこともあり、手の空いた社員みんなで雑談をしておりました。
すると、Aさんが「ちょっと聞きたいことがあるんですけど・・・」と話し始めました。
「私の部屋の上の階は、2人暮らしなんですか?」と。

「違いますよ。あのビルは全部のお部屋お一人暮らしですよ。どうしてですか?」と言うと、
「いや・・・・・、あの・・・・・ちょっと言いにくいんですけど・・・」と口篭られます。
部屋のことについて、何か不満があるのだなということは、そこにいた社員全員がピンときました。
話を続けやすいように、「何でも良いから言いにくいことでも何でも話してみて」と水を向けると、
「いや・・・・・本当に言いにくいのですが・・・・」とポツリ、ポツリと話し始めました。

結論は、夜になると階上から大人の営みの音がするのだということでした。

よく話してくれたと労って、その事実をオーナー様にすぐに報告しました。
Aさんは302号室に住んでいましたが、その階上、402号室の方はその部屋に7年住んでいる50代の女性です。
オーナー様が言うには、若い男性のパートナーが目撃する度に替わっていて、モテる女性なんだなと思っていたそうです。

そこでようやく302号室がなぜ入れ替わりが激しい部屋となっていたのか合点がいったのです。
証拠はありませんが、そうだとしか考えられないからです。

本音をヒアリングできる

弊社は、管理会社としてすぐに402号室の女性に通知を行いました。
階下の方からクレームがきましたと伝えると、クレームを入れた人が特定され、入居者同士の人間関係が悪くなるといけませんので、階下の人からのクレームだとは記しませんでした。

営みが問題なのではなく、「音」が問題となっておりますので、
深夜に不快な音が聞こえると、数件からクレームが入っております。
そのようなことのないようお暮らしください、という主旨の通知をいたしました。

その後、Aさんが来店された際、音の問題はどうかと尋ねると、
「もう大丈夫になりました」ということでした。

この事例から言えることは、やはり、入居者は第三者には本音を打ち明けやすいということです。
ワンルームマンションに住まわれる方は、比較的、お若い方が多いです。
特に女性となると、そういう話をすることに抵抗があると思います。
音の問題を抱えても、わざわざオーナー様に電話をかけて訴えるのもどうなのだろうかと思案しているうちに、この部屋に住むことが嫌になってしまい、退去していくのだと思われます。

管理会社の質を見極めてください

オーナー様が管理会社を選ばれる際に、必ずその管理をしてくれる店舗に足を運んでいただきたいと思います。
たくさん広告して名前の売れている大手であっても、実際に管理するのはその支店です。
お持ちの物件の近所だからという理由で選ばれる地域に根ざした管理会社であるならば、その1店舗がその会社のすべてです。

今回のことも、管理会社が弊社でなければこうはならなかったかもしれません。
第三者にだから話しやすいということは大前提ですが、それだけでなく、案内からご契約までに構築される営業マンとの信頼関係も大きいです。
営業力のある営業マンは、短時間でお客様の懐に入ることができます。
大事な契約の合間に交わす雑談を通して、お客様と人間的な繋がりを持つことができます。
『質の高い営業』の中には、こういったことも含まれます。

Aさんもそのことを言いたいと思って店舗に立ち寄ったのではなく、
ちょっとおしゃべりをしたいと思って立ち寄ってくださったのだと思います。
話しているうちに、胸のうちを話せるような雰囲気を感じ取って、少しずつ心を開き勇気を出して尋ねてくれたのだと思います。
どこの不動産屋であってもそうかというと、そうではなかったことでしょう。

美都には、お客様の心に寄り添い、お客様の立場を考え行動するスタッフしかおりません。
場の空気を感じ取れる、礼儀はわきまえた上で、親しみを込めて接し気遣いをする。
そのようなことが自然にできる人間しかいない会社が株式会社美都です。

大手のように、何もかもマニュアル化され、そつなく仕事をこなし、
案内時・ご契約時、鍵の引き渡し時、その後のクレーム対応時、それぞれの業務が細分化されているような会社ではなく、
ご案内から、ご入居まで、ご入居後の一連の業務は、物件ごとの担当制になっており、入居者様とオーナー様と営業マンとの信頼が厚く構築されています。

良いオーナーを目指してください

Aさんが伝えてくれたようなことを『入居者の本当の声』というのだと考えます。
この物件の302号室に入居されたAさんは、この度、更新される予定です。
オーナー様が、この部屋で更新してくれる人は7年ぶりだとお喜びです。

自主管理が難しくなったので管理の依頼を受けましたが、管理を弊社が引き受けたことによって見えてきた問題点があったのです。
この物件は、これからも人気物件であり続けることと思います。

なぜならば、こちらのオーナー様は物件に対して非常に誠実で真摯的です。
コロナ禍で給湯器が6カ月先まで入手できないとなったとき、
「この冬に給湯器が壊れた場合、お困りになるかもしれませんから在庫を抱えませんか?」と、案内した際は、
「本当にそうだね」と、給湯器を夏に発注されました。

給湯器が故障すると、当然、給湯できなくなります。
入浴できないのが一番の痛手です。
いつ交換できるかも提示できなければ、当然、借主は引越ししたいと思います。
オーナー様は、引越費用として100万円ほどを支払わなければならなくなるでしょう。
100万円を8万円ほどで担保できるのですから、賢いオーナー様は在庫を抱えられました。

結果、この物件の給湯器は故障せず、現在も在庫としてお持ちですが、
「腐るものでもないし、そろそろ替えてあげたい部屋があるから」とおっしゃいます。

個人オーナー様でもここまで気配りされ、危機管理されるオーナー様もいらっしゃいます。
良いオーナーになりたいと希望されてください。
良いオーナーとは、どのようなオーナーか、どのような人間か、そのようなことを考えていただきたいと思っています。

私たち管理会社もそのような人間性の方、熱意あるオーナー様を一生懸命応援いたしますし、お力にならせていただきます。
これからますます変化していく時代の中で、どうぞ色々な意味で豊かな賃貸経営をされてください。
それを楽しまれてください。

オーナー様のしあわせのために私たちをご利用ください。

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