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管理会社は何をやってくれるのか?

今回は、不動産管理会社に「管理を任せる」ということはどういうことなのか、また、「管理会社の選び方」の話をしたいと思います。

目次

お試し3ヶ月間に受けたクレームの数々

弊社の情報は、事実をお話しするということをモットーにしておりますので、実際にあったことを事例にあげて話をします。

【物件の情報】
●東京23区内、総戸数30戸の鉄筋コンクリート造のビル
●築20年
●ある大手企業の社員寮だったものを、別の大手企業が購入

物件を購入した大手企業の部長さんから
「従前からの管理会社の担当者の説明で管理の内容に納得がいかない」
「よくわからないことが多い。管理料を払う意味がわからない」
と、弊社に相談がありました。
そこで、3カ月間だけ、弊社の管理を試してみませんか?とご提案しました。
もちろん、お試し期間中は管理料は無料です。

多くの管理会社は、管理物件を引き受けると、自社の社名を宣伝するかのように
「管理・○○不動産」というような管理看板を物件に掲げます。
中には、連絡先も何も書かれておらず、支店名も書かれていない管理看板もあります。

弊社は、下のような管理看板を建物の内部・外部に掲示します。

内部に掲示するのは、入居者がクレームを訴える先が明確になるよう、
外部に掲示するのは、この物件について、他の建物にお住まいの方からのクレームや相談先が明確になるようにというのが目的です。
ですので、「この物件のすべての相談を受け付けます」と明記しています。

今回のケースでも、この管理看板の掲示を一番に行いました。

以下、管理のお試し期間3ヶ月の間に、この物件に入った連絡(クレーム)です。

1.共用部分の電気がチカチカしています。なんとかしてください。

2.ゴミ置き場のダストボックスにゴミを捨てに行ったけれど、誰かがペットボトルを大量に捨てていて回収されず残ったままになっているので、自分のゴミを捨てることができない。
※ゴミ回収の規定では、ペットボトルは資源ゴミで捨てるルールになっているのに、ある入居者は不燃ゴミのダストボックスに捨てていた

3.宅配ボックスの1つがもう2カ月間埋まったままのような気がする。そのせいで、宅配ボックスが使えず、持ち帰りになったことがある。

4.宅配ボックスに、荷物を入れてもらったが開かない。

5.自分の郵便受けに前入居者の郵便物が届く。どう処理して良いのかわからない。

6.温水洗浄便座の電源が3日前から入らなくなった。

7.浴室の換気扇のスイッチをオフにしても換気扇が回ったままである。

8.5階に住んでいるのですが、1階が空いたら教えて欲しい。

9.窓を開けたら蚊に刺されました。植え込みに蚊がいると思います。どうにかしてください。

10.建物本体工事の音がうるさく、部屋で仕事ができません。

11.布団を干していて叩いている人がいます。音が響いてうるさいです。

12.シャワー水栓が固くて、シャンプーをしているときにひねりにくいので調整してください。

この物件のみ、3カ月間で上記のような内容の連絡(クレーム)を受けました。
管理会社(少なくとも弊社)は、このすべての内容に対処します。

1.共用部分の電気が切れかかっている

【クレームの内容】
共用部分の電気がチカチカしています。なんとかしてください。

【対処】
共用部分の電気が切れたとなると、どこの電気が切れているのか確認をします。
その上で、電球交換で対処できることなのか、それとも、照明器具自体が壊れているのかの確認も行わなければなりません。
いずれにせよ、オーナー様に報告し、許可を得てから対処します。
また、訴えてきた入居者には、対処できるおおよその時期を伝え待ってもらうようお願いします。

2.自分のゴミを捨てることができない。

【クレームの内容】
ゴミ置き場のダストボックスにゴミを捨てに行ったけれど、誰かがペットボトルを大量に捨てていて回収されず残ったままになっているので、自分のゴミを捨てることができない。
※ゴミ回収の規定では、ペットボトルは資源ゴミで捨てるルールになっているのに、ある入居者は不燃ゴミのダストボックスに捨てていた

【対処】
ゴミ捨てのルールを守らない入居者がいるために、ダストボックスがいっぱいになっており、自分のゴミを捨てることができないというクレームが入った場合は、ゴミ回収業者を手配し、回収されずに残っていたゴミを回収します。

3.宅配ボックスが埋まったままで使えない
4.宅配ボックスに荷物を入れてもらったが取り出せない

【クレームの内容】
・宅配ボックスの1つがもう2カ月間埋まったままのような気がする。そのせいで、宅配ボックスが使えず、持ち帰りになったことがある。
・宅配ボックスに、荷物を入れてもらったが開かない。

【対処】
宅配ボックスについては、この物件でも3カ月の間に2件クレームががりましたが、他物件でも多いクレームです。

配送業者が宅配ボックスを閉めた時の暗証番号を間違って不在票に記載したり、
また、他の全く違う物件・部屋への誤配送という場合もあります。
誤配送の場合は、不在通知が本来の受取人に届くことがないので、宅配ボックスから荷物が取り出されることなく数カ月経つということもあります。
宅配ボックスのキーを保管しているので、宅配業者と時間を合わせ、現地に赴き宅配ボックスを開錠します。

5.前入居者の郵便物が届く

【クレームの内容】
自分の郵便受けに前入居者の郵便物が届く。どう処理して良いのかわからない。

【対処】
郵便については、退去された方は郵便局に転送届を出されるのですが、転送期間が決まっていて、その間にいろいろな住所変更の手続きをとられていない場合は、転送されることなく、郵便が配送されたりすることもあります。

前入居者へ連絡を取り、郵便物の件を伝えることをします。

6.温水洗浄便座の電源が3日前から入らなくなった。

【クレームの内容】
温水洗浄便座の電源が3日前から入らなくなった。

【対処】
温水洗浄便座の不具合の原因が、電気的な故障なのか、経年劣化によるもので取り替えが必要なのかを判断するために、温水洗浄便座の型番(品番)を調べます。
故障であれば修理ですし、年数が経っているものであればオーナー様に新品との交換をお勧めします。

7.浴室の換気扇のスイッチの故障

【クレームの内容】
浴室の換気扇のスイッチをオフにしても、換気扇が回ったままである。

【対処】
現地に業者を出向かせ、状態を確認します。
浴室換気扇のスイッチは、レバーを回してタイマーで作動させるスイッチがついていることがありますが、このスイッチは故障が多いです。
このようなスイッチが取り付けられている物件の修理をするときは、簡単に作動させることのできる、ON・OFFタイプのシンプルなスイッチに交換をお勧めしています。

8.蚊がいます

【クレームの内容】
窓を開けたら蚊に刺されました。植え込みに蚊がいると思います。どうにかしてください。

【対処】
「蚊がいます」「ゴキブリが出ました」「ネズミがいます」
こういったクレームが最近増えてきました。このようなことには、本来であれば入居者自身が対処することが常識です。
ですが、管理会社としては「自分で対処することですよ」と直接的な表現で入居者に伝えることはありません。
最終的には、ご自分で対処されるよう話をもっていきますが、こういった内容の不満を時間をかけてヒアリングし、入居者の不満(怒り)を受け止めます。

9.工事の音がうるさい
10.布団を叩く音がうるさい

【クレームの内容】
・建物本体工事の音がうるさく、部屋で仕事ができません。
・布団を干して叩いている人がいます。音が響いてうるさいです。昼寝ができません。

【対処】
騒音のクレームの対処は少々厄介です。
なぜならば「音量」の感覚は、まったくをもって主観の問題だからです。
ある音を聞いて、うるさいと感じる人もいれば、心地よいと感じる人もいるからです。
それが聞こえる時間帯、頻度、いつからなのかをヒアリングし、そういった事実があるかどうか確認を行います。
訴えてきた人が神経質だったということもありますし、誰が聞いても迷惑な音量であることもあります。
集合住宅ですから、皆様にご理解いただきながら快適な暮らしをしていただけるよう協力をお願いするもの管理会社の仕事です。

11.水栓がひねりにくい

【クレームの内容】
シャワー水栓が固くて、シャンプーをしているときにひねりにくいので調整してください。

【対処】
設備の不具合については、修理で対応できることなのか、新品に交換が必要なのか、製造年式や状態を確認し、大家さんに報告してプロとしての見解を提示します。

管理会社の重要な役割は、貸主と借主の『間に立つ』こと

3カ月間でもこれだけの問題が起こっています。
この事実を報告しましたら、とてもじゃないけど自分のところでそういう対処は行えないということになり、弊社に管理をお任せいただくことになりました。

『部屋を貸す』ということが、昔より難しくなってきた時代になりました。


大手が新築をどんどん建築し、競争相手が個人の他のオーナー様でなくなってきたこと。
借地借家法で、借主が保護され、オーナー様の独断で正当だと思うことを実行できないこと。
それに加え、人間の質も変化してきて、
『部屋を貸してもらっている』という意識は薄らぎ、
『部屋を借りてやっている。家賃を払っているのだから、何から何まで快適でないことは許せない』という入居者が増えていることを現場でひしひしと感じます。

また、『管理』ということを『共用部分の清掃』と同義のように解釈されているオーナー様も多くいらっしゃいます。

管理会社の役割で、何が最も重要かというと、貸主と借主の『間に立つ』ということです。

オーナー様側からみれば、上記のようなクレームをいちいち自分で受けなくても良いということとも言えますが、実は、入居者もオーナー様が相手ですと、管理会社にはなすような内容・話し方で話すことはないのです。

当事者同士というのはどこかに遠慮があります。
ですが、管理会社の人間が間に入ると、オーナー様も入居者様も、どちらも正直な気持ちを話すのです。
よって『本当の声』というものを拾い上げることができます。

『本当の声』を拾い上げることが大切です。
『クレーム』という言葉が世の中であまり良い言葉として使われませんが、クレームを『入居者様の訴え』というものとして捉え、いかにその気持ちを拾い上げていくか、気持ちを収めさせ、この物件から引っ越したいという気持ちをいかに無くさせるかという立ち振る舞いに、管理会社の手腕が問われます。

クレームを活かす

インターホンが壊れた部屋がありました。
モニター付きではないインターホンが取り付けられている部屋で、インターホンの音が鳴らないとクレームを受けました。

現地に行き、修理が可能か検討しましたが、型が古く修理はできませんでした。
このまま、同じタイプのインターホンの新品に取り替えるだけで、入居者様はひとまず満足されたことと思います。

しかし、弊社はモニター付きインターホンへの交換のご提案をオーナー様に行いました。
モニター付きインターホンとそうでないものの価格の差は5,000円でした。

オーナー様は、モニター付きインターホンにしてあげて欲しいということで、モニター付きインターホンを取り付けました。
入居者様は大喜びされました。対応の良い物件という印象を持たれたことと思います。

この入居者様が、いつか退去されたとしても、次は募集広告に『モニター付きインターホン』という表記が可能になります。
たとえ軽微なクレームだったとしてもどうすれば退去を防げるか、また、その部屋の人が退去した後も、次の募集にあたってどうすれば物件価値が上がるような提案ができるかを、常に念頭に置いて業務にあたっています。

ご提案は3パターンを用意

弊社では、オーナー様に何かをご提案するとき、3つのパターンを提示することを基本にしています。

1.最も費用のかかる完璧な処理

2.適度に費用をかけて問題を解決し、それなりの処理

3.費用を最小限に抑えた応急処置

この中で、今回はこれがベストだと思いますと伝え、その明確な理由もご説明します。

良い管理会社は管理物件の様子の変化に敏感

弊社では、管理物件はひと月に1度以上の訪問を行い、建物の外観、共用部分の状態(清掃状態や使用方法、照明のチェック等)を行います。
共用部分に私用の傘や荷物が放置されていれば、その場で注意の貼り紙をします。
もっと徹底させた方が良い場合には、併せて、入居者全員に注意の通知文書を送り、掲示板にも掲示し、共同住宅としてのモラルが守られるよう指導を行います。

ひと月に1度以上と書きましたが、実際は、週に1度訪問することになることはザラにあります。
注意喚起を促したが、その通知事項がきちんと守られているかどうか、数日後にはチェックを行う必要があるからです。

業界の裏話をしますと、一つ一つの小さなクレームを報告している会社はあまり多くありません。
専任媒介と管理物件の区別のない会社が多く、入居者からのクレームがないならば、何も問題がなかったと報告する会社が多くあります。

多くのクレーム(相談)を受け、その問題に迅速に対処することも重要ですが、問題が起こる前に発見すること、問題が起こったならば早期に対処することが、入居者にとってもオーナー様にとっても大切なことです。
対処が遅れれば遅れるほど、費用も高額になることもあります。

オーナー業も時代の風を読む必要がある

良い物件というのは、最新の設備を入れている物件をいうのではありません。
いかに入居者の退去を防ぎ、新たな入居者をスピーディーに入れることができるか、
そうあり続ける魅力ある物件のことを『良い物件』というのです。

最近は、インターネットでなんでも検索できます。
このような不満を訴えたときに、この管理会社、この物件はこのような対応で「良かった」「悪かった」と書き込みされる時代です。

どのような業界もそうですが、消費者の知識は、どんどん専門家に近づいています。
そのインターネットの情報の正誤は置いておくにしても、その情報を鵜呑みにして、皆がそのように思う、そのようなことが当たり前だと判断される時代であるということは確かです。

時代に応じて、商売のやり方は変化させる必要があります。
オーナー業もそうです。
『部屋を貸してやっている』
『住ませてやっている』
『不満なら家賃を下げれば良い』
と考えるオーナー様の物件は、そのうちに時代から取り残されることになるでしょう。

自主管理をされているオーナー様のもとに、入居者からのクレームが入った時、
もうその時点で、入居者が訴える表現より、その数倍の不満を抱えていると思われた方が良いでしょう。
直接訴えるという、低くない敷居を超えてでのクレームと言えるからです。

法人担当の営業がいます

個人のオーナー様がビルを売却し、買い手が法人であることも増えてきました。
弊社には、法人担当の営業がいます。
法人様へ向けての報告・要望を加味した提案・社内稟議・稟議承認後の実行・その後の結果報告。
このような対応に慣れた社員がいますので、そのような場合でもぜひご相談ください。

良い管理会社を選んでください

誠実で、マメに対処する管理会社をお選びください。
管理報告を信頼できる管理会社をお選びください。
問題が起こった時の報告の仕方、提案の仕方が納得いくような管理会社をお選びください。

株式会社美都は、『安心・満室・はやい』を3本柱として、地域密着で30年以上業務を行っております。
オーナー様に管理をお断りされたことはなく、逆に口コミでオーナー様のご紹介をいただき、管理物件が増えてまいりました。

管理会社は、入居者のため、オーナー様のために調整をとることを行います。
良い管理会社かどうかは、良くないことが起こったときの対応で決まります。

オーナー様のしあわせのために、私たちをご利用ください。

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