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事故物件になってしまった

事故物件になってしまった

この話は、知人からAさんを紹介されたことから始まります。

2013年のことです。Aさんはオーナー様で、部屋を10部屋貸しておられました。
その部屋の1室で、自殺者が出てしまい、事故物件となってしまいました。
Aさんがお付き合いのある不動産会社に相談しても、原状回復工事を含め、その部屋を貸し出すことに何のアドバイスもくれず、相談にものってくれなかったようです。

私たちは、まず、弁護士3人に、事故物件の合法的な賃貸借契約について相談しました。
弊社では、専門家の意見を賜る時は、常に3人の方に同様の質問・相談をさせていただいております。
テレビ番組でいうところの『行列のできる法律相談所』と同じです。
専門家といえども、一人ひとり、重要視するポイントが異なり、回答・助言が異なることがあるからです。
ですので、専門家3名の方の意見と、弊社に相談に来られた方の状況を鑑みて、最善の解決策を提案させていただきます。

この時は、弁護士の意見は3人とも全く一致していました。
賃貸借契約については、新たな入居者には自殺があったことを、正直に伝えていくことが大前提だということでした。

そして、これから先はノウハウですので、ここには詳しくは書けませんが、弁護士の意見と弊社の考えを盛り込んだ、賃貸借契約書を作成しました。

事故物件というものは、当然ながら良くない印象を持たれる方もいらっしゃいます。
ところが、まったく気になさらない方もいらっしゃるのです。
弊社は、特別に、破格の賃料に設定する必要もなく、入居していただける方を探します。

この物件も、事故物件であることをご納得いただき、すぐに入居者が決まりました。
現在も、何の問題もなく稼働しております。

この話は、8年前の話です。これまで、自殺・他殺・事故死など、心理的瑕疵のある物件を賃貸するとき、告知すべき事故の範囲や期間などの明確な決まり事はありませんでした。
2021年5月になり、ようやく国交省からガイドラインが出た次第です。

ルールがないところでは隠蔽してしまおうとする不動産業界の中では珍しく、早い段階から、事故物件に対しても真摯に、誠実に取り組んできました。

また、この時は、このような物件を扱う際の弊社の法的な責任の所在についても、突き詰めて研究しました。
オーナー様の物件を満室にすることと同時に、弊社の法的責任についても、また、重要だからです。
弊社が行政処分等を受けてしまいますと、現在の業務がストップしてしまいます。


結果、管理業務ができなくなってしまい、オーナー様に多大なるご迷惑をおかけすることになり、本末転倒となってしまいます。

弊社がコンプライアンスを非常に重視しているのは、このような理由もあってでのことです。
オーナー様と入居者、オーナー様と管理会社、入居者と管理会社、そして、それを取り巻く社会において、法令を遵守し、正しい道徳観と倫理観を持って業務にあたることは、結果、皆様の安心につながることです。
管理会社には、その使命があります。

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