サブリース会社から家賃が入らなくなった
知人の紹介で出会ったAさんの話です。
Aさんは、自主管理をしていたのですが、
- 入居者から直接自分のところにクレームがくるのがストレスになる
- ビルの4割が空室で、収入が上がらない
- 一般媒介では不動産屋も熱心に取り扱ってくれない
そういった理由から、一括借上・家賃保証してくれるサブリース会社と賃貸借契約をしました。
これで安定収入が確保できると安心していたところ、サブリース会社から家賃が入らなくなりました。
調べたところ、サブリース会社が経営危機に陥っていることがわかりました。
Aさんはどうして良いものかわからず、知人に相談。その知人が私のところに相談をもちかけました。
私たちは、すぐに弊社が連携している弁護士に相談しました。
私たちと弁護士と協力して、サブリース会社との賃貸借契約を解除する手続きを始めました。
その手続きを進めている途中で、入居者からAさんに「家賃の振込先が変わったのですか?」と問い合わせがありました。
Aさんが、心当たりも検討もつかない法人から『家賃はこちらにお振込ください』という手紙が入居者全員に送られていたのです。
私たちは急いで、オーナー様・弁護士・弊社の連名で文書を作り、
『そこには振り込まないでください。直接、オーナー様の口座に振り込んでください』
という内容を記し、入居者全員に送りました。
経営危機に陥り、倒産してしまったサブリース会社に関連する法人からの文書であったことは間違いないと思いますが、そのような文書が送られると、入居者の方は振り込んでしまうこともあります。
サブリース会社との賃貸借契約ということを本当に理解して入居されている方も少ないのです。
弁護士の腕が良く、無事、サブリース会社との契約は解消されました。
そして、弊社に管理を委託していただくことになりました。
管理を受けるに際し、物件調査を行いました。
共用部分の階段には問題がありました。
滑りやすい材質で造られていましたし、手すりもありませんでした。
共用部分で誰かが滑って転んだりという事故が起きると、それは、オーナー様の責任となってしまいます。
オーナー様にご説明し、階段に滑り止めの工事を施し、手すりを設置しました。
ついでに、照明器具をLEDに変更し、電気代の節約を図りました。
また、共用部分は清掃も行き届いていませんでした。
定期清掃を提案しました。
その後、この物件は満室となりました。
Aさんは、サブリース会社で家賃保証されている時と比較して、実際の利益が3割アップしました。
『一括借上・家賃補償』『オーナー様は、何もしなくても満室の家賃が毎月手元に入ります』サブリース会社は、そのような印象を持ってしまうような宣伝を実際にしています。
ですが、サブリース会社と契約されているオーナー様も、検討されているオーナー様も、よくよく考えていただきたいのです。
- なぜ、サブリース会社は、オーナー様から借りた部屋を、何十年ものあいだ値下げすることなく、満室時の家賃をオーナー様に支払い続けることができるのでしょう。
- なぜ、サブリース会社が潰れないのはでしょう。
- なぜ、潰れるサブリース会社が多くあるのでしょう。
そこにはからくりがあるのです。
サブリースを検討されている方には、ぜひ、その契約を待たれることを強く申し上げたい。
オーナー様の実質収益を上げるためには、管理会社と直接契約をし、はやく満室にすることが一番です。
これは数字でも表すことができます。
サブリース会社は、数年に一度は家賃の引き下げ交渉を行ってきます。
サブリース会社と一度賃貸借契約を結んでしまうと、そういうことが不満でも、オーナー様の方からはなかなか契約解消できないのです。
それは、判例でも明らかです。
ぜひ、ご自分の信頼できる管理会社と直接契約を行ってください。
オーナー業を支え、応援してくれる管理会社と共に歩んでください。
私たちは、オーナー様のしあわせを一番に考えています。
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